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イエメン全土が真っ赤です!

上の地図、何かと言うと、外務省の海外安全ホームページに載っている危険情報の地図です。

3月7日、イエメン全土に「退避勧告」が出されました。

サナアにある日本大使館も、3月16日をもって一時的に閉鎖されたようです。

今現在イエメンに旅行に行く計画を立てておられる方々は、ご自分の身の安全のため、キャンセルしてくださいね。

今年初めにイエメンでデモが始まった頃は、

「イエメン人はみんな午後になるとカートを噛みに家に帰るから、エジプトとかチュニジアみたいに大きな民主化の波になんてならないよー。」

なんてみんな言っていたのですが、日を追うごとにどんどんデモに参加する人数が膨れ上がり、先日の衝突で50人以上の市民が殺されて、民主化デモが一気に勢いづきました。

イエメン政府軍の幹部がデモ隊側を支援すること発表し、国連大使や閣僚を含む有力政治家・部族長たちもサーレハ大統領に背を向け始めました。

おそらく、みなさんサーレハ大統領がもう持たないと考えて、革命後の自分の身を守るためにデモ側に寝返った、つまり自分の身かわいさの護身なのでしょう。

なんで、どこの国の独裁者も同じことを繰り返すのだろう。

他の国で起こっていることを見て学ばないのだろうか。

「自分だけは違う」と考えているのだろうか。

今後の結果がどうなるにせよ、もうこれ以上犠牲者を出さないように平和裏に解決してくれることを祈ってやみません。

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アラブ諸国が燃えています。

イエメンが燃えています。エジプトやチュニジアほどでは無さそうですが・・・。

イエメン人の友人に大丈夫かと聞くと、

「あー、昼前に外でデモやってても、お昼になるとみんなカートを噛みに家に戻るよ。」

というのんきな返事(笑)。

しかしさすがに焦ったのか、かのサーレハ大統領も次の大統領選(2013年!)には出馬しないことを明言し、息子のアハマドに大統領職を継ぐ気もさらさら無いことを明言しました(サーレハ大統領、白髪増えたな・・・)。

と言ってもサーレハさん、前の大統領選の前にも同じようなことを言ってた気が・・・。

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(イエメンの田舎の田舎のずーっと山奥の小さな村の人々)

前に書いた記事は、もう1年以上前。

これだけ放っておいて、自分でもその存在を忘れかけていたこのブログ(コラ)。

今日初めてお会いした人に、「昔あのブログ読んでました。」と言われて、はっ!と思い出しました。

彼女はこのブログを読んでイエメンに行き、ハッダ通りのスタバ(注:スターバックスではない)などの個人的に推している観光地を訪れてくれたようなのです。

そしてイエメンが燃えている今日この頃、約1年ぶりにログインすると、まだまだこのブログをチェックしてくれている人がいることが分かり、申し訳ないのと嬉しい気持ちで、とりあえずご挨拶をしておこうと思い、この記事を書いています。

まだ相変わらず中東にドップリ浸かっていますが、まだ生きています。

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(山道を走行中に転倒した大型トラックを、みんなで戻そうと奮闘中)

・・・でも最近は、毎日毎日どうなることかとテレビに釘付けで寝不足気味です。

イエメンと言えば、日本はすっかり先週起きた「日本人誘拐事件」でもちきりなようです。

確かにイエメンでは、外国人誘拐事件が昔から頻繁に起きています。

日本人が誘拐されたのは、僕の覚えている限りでは今回を含めて2回。

アジア系では、今年韓国人が誘拐されたり襲われたりしたこともありました。

これまで一般的には、欧米系(いわゆる金髪白人系)の人種がターゲットになりやすいと言われてきましたが、アジア系をターゲットにした事件が起こっている現状を見ると、最近はそうでも無いようですね。

今後は日本人も気をつけていかなければならないですね。


Beautiful Yemen..._a0090924_229446.jpg

でも、イエメンってやっぱり良い所なんですよね。

上の写真は友人の撮った写真なのですが、「砂漠の摩天楼」と呼ばれるハドラマウトのシバーム旧市街の写真です。

砂漠のど真ん中に、こんな高層建築の建物群が急に目の前に登場します。

ここは世界遺産にも登録されていて、この写真もですが旧市街の向かい側の高台から見た光景は本当に絶景です。

僕も何度か行ったことがありますが、初めて行った時は夕暮れから真っ暗になるまで高台の上に座って、旧市街の街灯りが点灯していく様子をずーっと見ていました。


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こちらはソコトラ島の写真。

ソコトラ島は、「インド洋のガラパゴス島」とも呼ばれるように、ここにしか育たない動物や植物がたくさんある場所です。

残念ながら、僕は実は行ったこと無いんですよね・・・。

4年もいてここに行っていないのは、未だに心残りです。

この島に行くためだけに、イエメンに里帰りしても良いかなと思っているぐらいです。

これからイエメンの発展がどのように進展していくか分かりませんが、是非こういう美しい場所へ観光客が安心して自由に行けるようになってくれれば良いなと願って止みません。

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イエメン在住の日本人の友人から写真が届きました。

写真は、毎年恒例の「サイラの洪水」です。

「サイラ」というのは、サナア旧市街とタハリール広場の間にある道路であり水路のことです。

雨が降っていない時は道路として使われ、雨が降るとこのような川になります。

サイラの洪水は実際にこの目で何度か見ていますが(過去記事を参照)、この洪水はなんだか凄そうな感じです。


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この写真を見る限り、かなり水位が上の方まで上がっていて、もう少しで市街地の道路に溢れ出しそうな勢いです。

しかも、夜です。

小さな子供たち(・・・そしてはしゃぐ大人たちも)が流されていないことを祈ります・・・。

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イエメンを離れて、ちょうど1年が過ぎました。

!!رمضان كريم
Ramadhan Kareem!!
「楽しい断食月だね!」ってことです。

今年はイエメンとは一味違うラマダンを別のブログの方で報告したいと思いますので、乞うご期待☆

またも、イエメンのアメリカ大使館に対するテロ攻撃が起こってしまいました。


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9月17日(水)現地時間午前9時半頃に、サナア市北東部に位置するアメリカ大使館の門のところで、2回の爆発10分間にわたる銃撃戦があったとのことです。

死者は大使館を守っていたガードが6名、付近の一般住民が4名、それからこのテロ攻撃を起こした武装兵6人の合計16名(イエメン人15名とインド人女性が1名)とのことです。

今年の3月にもアメリカ大使館を狙ったテロがあったので、今年に入ってもう2件目になります。
(↑関連記事はこちら。)


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この事件、実はすごいタイミングで行われたテロなんですよね。

と言うのは、3月のアメリカ大使館に対するテロ事件が起こった後、アメリカ政府はイエメンの危険度を上げて、イエメンにどうしてもいなければならないアメリカ人外交官たちを除いて、その他の外交官たちをワシントンなどに退避させたのです。

この措置で、その当時イエメンのアメリカ大使館にいた外交官の半分ぐらいが退避したと聞きました。

そして、なんと今からほんの1ヶ月ほど前に、アメリカ政府がイエメンの危険度を下げ、退避していた外交官たちがイエメンに戻ってきたばかりなんですよね。

イエメンのアメリカ大使館で働いている僕の友人の外交官も、3月に起こったテロ事件以降ワシントンに退避していましたが、先月イエメンに戻ってきていました。


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おそらく、最近イエメンに戻ってきた外交官たちは、戻ってきた矢先にまた退避させられることになるのでしょう。

犯行声明を出したイスラミック・ジハード・イエメンがこの情報を察知していたのかどうかは定かではありませんが、おそらく色んな筋から情報が漏れていたとすれば、戻ってきたアメリカ人外交官たちをまた本国に逃げ帰らせるためにやったのかもしれません。

これは全くの僕の憶測ですが、やはり今回アメリカ政府が危険度を下げた直後にこのような事件が起こったためアメリカ政府の危険度を下げた決断が疑問視されれば、今後当分の間はアメリカ政府はイエメンに対する危険度を下げられなくなり、イエメンにおけるアメリカのプレゼンスは自然に低まります。

イスラミック・ジハード・イエメンは、今後他の大使館も標的にすると公言しており、他の大使館などがどういう対応をするかも注目です。

イエメン北部では政府軍はホーシー一派との交戦状態、南部では失業やインフレのためデモや騒乱が頻発しており、イエメンに平和が訪れるのはまだまだ先の話のようです。

イエメンにおられる方々、くれぐれも気をつけてください。


(写真上)僕が仕事で少々危険な地域のプロジェクトを視察に行った時に、付き添ってくれた警備隊。かなり重装備でいかめしいため、初め見たときはビックリしましたが、カメラを向けるとみんなニコニコ笑って「おれも、おれも!」と寄ってきます(笑)。

(写真中)サヌア州某所にある武器屋さん。新聞では、「武器屋はもう全部閉められた」という報道がなされていますが、実際にはこのように開いています。店主に「写真はダメだ」と言われたので、遠くから隠し撮りしたものです(←おいっ)。一応隠し撮りなので、店の名前と電話番号は消させていただきました。

(写真下)懐かしのサナア旧市街。ちょうどこの時この辺りで結婚式が行われていたため、豆球の明かりが夜の旧市街を煌々と照らしています。