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a bad guy... (part 1)

いつもイエメンの良い人や楽しいことばかり書いている気がするので、誤解を与えないように、たまにはイエメンのちょっと悪い人についても書いてみます。

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こないだ、タハリール広場周辺のレストランで、一人で夕食を食べていた時のこと(僕はあまり自炊しない(できない?)ので、結構一人で外食することが多いのです)。3人のイエメン人が陽気に話しかけてきて、隣に座りました。その3人というのは、1人はおじさん、他の2人はおそらく20歳ぐらいの若者。若者はかなり小汚い格好をしていました。僕は一人だったこともあって、その3人と楽しく話しながら食事をしていました。

食事が終わると、若者2人はさっさと先に帰っていきました。それで、おじさんと話をしていると、彼が空港で働いている空港職員だと言うことが分かりました。僕は、空港職員として働いていた別のイエメン人の友達がいたので、

「○○って人知ってる?友達なんだけど。」と聞くと、

「名前は聞いたことはある。」と答えた。

まあ、空港で働いてる人なんていっぱいいるからと、別に深く考えませんでした。

すると、彼は、「おれは日本大使館の○○と友達だ。」と言い出した。そう言われて、僕はその○○さんを知っていたので、へぇーと少し驚いて、なんだか親近感が沸いた。



食事も終わり、お茶も飲み終わって一段落したので、

「じゃあ、もう帰ります。楽しかったです。どうも。」と言って帰ろうとすると、彼ももう帰ると言う。なので一緒に店を出て、歩き始めた。彼も一緒に歩いてきたので、帰る方向が同じなのかなと思い、少し話しながら歩き始めた。1ブロックほど歩いて、曲がり角でまだ一緒の方向に来てちょっと嫌な感じがしたので、別れるために、

「じゃあ、もうここで。」と言うと、

彼はおもむろに、「一つお願いがあるんだけど・・・」と言い出した。

何かと聞くと、「少しお金を貸してほしい。」と言う。

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僕は一瞬「えっ?」と思い、いくら貸して欲しいのかを尋ねた。

すると、「今、車を修理工場に出していて、それを今から引き取りに行かないといけないけど、現金が無いんだ。代金は18,000リヤル(約1万円ちょっと)でお金は空港にあるから、明日にでも返せるから貸してくれ。」と言う。

すぐに、「やられた!」と思いました。空港で働いているとか、日本大使館の誰それを知っているとか、自分が信用できる人物だと言うことを言葉巧みに言い、それにマンマと引っかかってしまっていました。すでに彼とは1時間以上に亘っていろいろと話をし、そこには即座に「NO!」とは言えない状況ができていました。

でも、さすがに18,000リヤルはあげれないので、「僕も夕食を食べに出てきただけなので、残念ながら現金は今ほとんど持ち合わせていないんですよ。ほら。今からタクシーに乗って帰らなきゃいけないし。」と言って、持っていた6,000リヤル(3,600円)ぐらいの内1,500リヤル(900円)だけを見せ、それだけしか持っていない振りをした。

すると彼は、「いや、17,000リヤルは持っているから、1,000リヤル(600円)だけ貸してくれれば良いんだ。」と言って、1,000リヤルをせがんだ。

600円か。それでこのややこしい話が終わるのなら、それでも良いかと思い、仕方が無かったので、僕はもうその1,000リヤルが返ってくることは全く期待せずに、それを渡した。

彼は、「次の週末にこのお金は返す。ロシア人の奥さんにロシア料理を作らせるから、是非おれの家に食べにきてくれ。」と言い、彼の携帯番号をくれた。

ん?実は本当は良い人だったのかなぁ、などと思いつつ、帰路に着いた。

part 2に続く・・・

(注:本文と写真に出てくる人物とは、全く関係ありません。)