またも、イエメンのアメリカ大使館に対するテロ攻撃が起こってしまいました。

9月17日(水)現地時間午前9時半頃に、サナア市北東部に位置する
アメリカ大使館の門のところで、
2回の爆発と
10分間にわたる銃撃戦があったとのことです。
死者は大使館を守っていたガードが6名、付近の一般住民が4名、それからこのテロ攻撃を起こした武装兵6人の合計16名(イエメン人15名とインド人女性が1名)とのことです。
今年の3月にもアメリカ大使館を狙ったテロがあったので、今年に入ってもう2件目になります。
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この事件、実は
すごいタイミングで行われたテロなんですよね。
と言うのは、3月のアメリカ大使館に対するテロ事件が起こった後、アメリカ政府はイエメンの危険度を上げて、イエメンにどうしてもいなければならないアメリカ人外交官たちを除いて、
その他の外交官たちをワシントンなどに退避させたのです。
この措置で、その当時イエメンのアメリカ大使館にいた外交官の
半分ぐらいが退避したと聞きました。
そして、なんと
今からほんの1ヶ月ほど前に、アメリカ政府がイエメンの危険度を下げ、退避していた外交官たちがイエメンに戻ってきたばかりなんですよね。
イエメンのアメリカ大使館で働いている僕の友人の外交官も、3月に起こったテロ事件以降ワシントンに退避していましたが、先月イエメンに戻ってきていました。

おそらく、最近イエメンに戻ってきた外交官たちは、戻ってきた矢先にまた退避させられることになるのでしょう。
犯行声明を出した
イスラミック・ジハード・イエメンがこの情報を察知していたのかどうかは定かではありませんが、おそらく色んな筋から情報が漏れていたとすれば、
戻ってきたアメリカ人外交官たちをまた本国に逃げ帰らせるためにやったのかもしれません。
これは全くの僕の憶測ですが、やはり今回アメリカ政府が危険度を下げた直後にこのような事件が起こったためアメリカ政府の危険度を下げた決断が疑問視されれば、今後当分の間はアメリカ政府はイエメンに対する危険度を下げられなくなり、イエメンにおけるアメリカのプレゼンスは自然に低まります。
イスラミック・ジハード・イエメンは、今後他の大使館も標的にすると公言しており、他の大使館などがどういう対応をするかも注目です。
イエメン北部では政府軍はホーシー一派との交戦状態、南部では失業やインフレのためデモや騒乱が頻発しており、イエメンに平和が訪れるのはまだまだ先の話のようです。
イエメンにおられる方々、くれぐれも気をつけてください。
(写真上)僕が仕事で少々危険な地域のプロジェクトを視察に行った時に、付き添ってくれた警備隊。かなり重装備でいかめしいため、初め見たときはビックリしましたが、カメラを向けるとみんなニコニコ笑って
「おれも、おれも!」と寄ってきます(笑)。
(写真中)サヌア州某所にある武器屋さん。新聞では、「武器屋はもう全部閉められた」という報道がなされていますが、実際にはこのように開いています。店主に「写真はダメだ」と言われたので、遠くから
隠し撮りしたものです(←おいっ)。一応
隠し撮りなので、店の名前と電話番号は消させていただきました。
(写真下)懐かしのサナア旧市街。ちょうどこの時この辺りで結婚式が行われていたため、豆球の明かりが夜の旧市街を煌々と照らしています。