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People and Life in Beirut

そんな爆撃の中、ベイルートを訪問してきましたが、戦争と関係の無い市民は必死に生きています。


ダウンタウンのハーゲンダッツで

ベイルートのダウンタウン。6方向に道が放射線状に出ているため、ナジュマ(星)と言う愛称で呼ばれている広場があります。ここは過去の戦争中でも、立ち並ぶカフェやレストランはいつも人でいっぱいだった場所らしいですが、現在はこの周辺は鉄条網で囲まれ、入れる場所には兵士が固まって立っています。入るとほとんどひと気が無く、ここがかの有名なベイルートのダウンタウンかと思うほどショックを受けました(スミマセン、写真は取れませんでした・・・)。

そこで誰も客のいないハーゲンダッツへ入りました。店員さんがすぐに来てくれて、メニューを渡してくれた時に一言。

「申し訳ありませんが、今戦時下なので、あまり色んな種類のアイスクリームを入手できていません。メニューにあっても無いものがほとんどですので、ご容赦下さい。」

なんだか戦時下と言うものを少し(ほんの少しですが)体感し、ショックを受けました。本当はアイスクリームを1カップだけ食べようと思っていたのですが、少しでも儲けを上げてもらおうと思い、大き目のパフェとカプチーノを頼みました。

パフェを食べながら、横で暇そうにしていた店員に聞くと、どうやらその広場に面したところに議会があるらしく、そのせいで警備が厳重なんだそうです。「もう商売も上がったりだよ」、と投げやりな感じで悲しそうな顔をしていました。


ABCモールにて

旅行前日にベイルート市内で爆発があったと聞いていたのですが、それがこのABCモールのすぐ側だったのです。もちろん僕が行ったときは、モール中ガラ~ン・・・としてて、客なんてほとんどいませんでした。

ある店で買い物をしていると、そこの店員が「2、3日前にあった爆発でここにひびが入ったんだ」と言って、その店のショーウィンドウを指差しました。そのショーウィンドウには大きな亀裂が入ってて交換するらしいのですが、ショーウィンドウってかなり高いもののようで、店の人は困っていました。

そして爆発に最も近かった別の店に行くと、もうすでにショーウインドウのガラスの張替え工事中でした。モールの中だから写真撮っても大丈夫だろうと思いカメラを出そうとした瞬間、近くに兵士が立っているのに気付き、一瞬ポケットからカメラを出すのをためらいました。そして、一応念のために、そこの店の店員さんに写真を撮って良いかと聞くと、「止めといた方が良い。」と言われてしまったので、写真を撮るのは控えました。なので、ここも写真がありません・・・(泣)。

ここの店に行ったときは、もう夕方の6時頃。でもその日は客も少なく何も売れていなかったようで、「今日はもうほとんどの商品を半額で売っているんだ。何でも良いから買って行ってくれ。一つでも物が売れることで、こんな状態でも店を続ける励みになるから。」と言われ、励みになるならと、ネクタイを2本買って帰りました。

帰り際にその店員さんが、「商品を買ってくれて本当にありがとう。レバノン滞在中にもし何か困ったことがあったら、ここにいつでも電話してくれ。こんな状況だから、いつ何が起こるかわからないから。」と言いながら、携帯番号を書いた店の名刺を渡してくれたのは、本当に心強かったです。

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レバノンの市民を巻き込んだ無意味な殺し合いが早く終わって、また「中東のスイス」と呼ばれる美しく平和なベイルートの街をこの目で見てみたいと思いました。