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Iftar(イフタール)--イスラム教徒がラマダン中、断食が明ける日没時に、一日の初めに口にする食事のことです。今のイエメンでは、大体6時ごろ。

日が落ちると、町中のモスクのミナレットからお祈りの声が流れてきます。これを合図に、まず空腹を癒すためにナツメヤシとサンボサ(インドのサモサをちょっと小さくして脂っこくしたような感じ)をつまみ、水を飲みます。これでひとまず空腹は落ち着き、その後、5分~10分ほどのお祈り。そして夕食へと突入します。

先日、イエメン人の友人宅へこのイフタールに誘われたので、行ってきました。

僕が友人の家に着いたのがちょうど6時ごろだったので、友人の親戚一同が車座になってナツメヤシとサンボサを食べているところでした。僕も一緒につまみました。そして彼らは別の部屋でお祈り。普通はみんなで一緒にお祈りするんだけど、客人の僕が部屋に独りぼっちになってしまうことに気を使って、彼らは2グループに分かれてお祈り。

お祈りが終わると、食事が運ばれてきました。

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イエメンは、レストランじゃなく家庭の料理が美味しい。レストランと比べてみると分かるが、味が全然違う。これはなぜか?それは家庭料理は女性が料理しているからです。女性が外で働くことが難しいイエメンでは、レストランで料理を作っているのはみんな男性。女性が料理を作っていることはありません。男性の料理がまずいと言っているのではなく、男性は家では一切料理を作ったりしませんから、やはり母から娘へ、母から嫁へと代々受け継がれる昔ながらの味、つまり本当の意味での伝統の「おふくろ料理」を食べれるのは、家以外に無いのです。

真ん中に2皿あるのが、ピラフにポテトと鳥の切り身が入っている料理。このピラフが薄い味付けで非常に美味。少しガーリックで味付けしてある感じ。その右横にある黒い石鍋に入っているのが、サヌアの伝統料理「サルタ」。ミンチ肉、野菜、米などなど色んなものをごちゃ混ぜにして煮込んだ郷土料理です。上にかかっている緑のものは、ジェルバと言って植物の根をすりつぶしたものです。少し苦味が効いていて、料理全体が引き締まります。あとはサラダやスープ、野菜炒めなど、どれもこれも美味しかったです。

最後にデザート。

Iftar_a0090924_602413.jpgこれは伝統料理でも何でもありません。一番上にココナッツの削ったやつと桃の切り身が乗っていて、その下にプリン、そして一番下にケーキ生地がありました。お椀に入っていますがフルーツ・ケーキ・ココナッツ風味と言った感じでしょうか。なかなか美味しかったです。

食事の後にはミルクティーが出され、少し談笑した後、彼らはモスクへ夜のお祈りへ出かけて行きました。
続けての「恐るべし、イエメン」です。

タハリール広場を歩いてると、色んな人に声をかけられます。物売りとか、ただ「シーニー(中国人)!」と叫ぶ子供とか。無視しても良いんだけど、僕は暇つぶしにタハリール広場に散歩に行くことが多いので、意外としょーもない物売りとかも結構相手にします。

こないだも歩いてると、サングラスを手に持ったおじさんが声をかけてきた。イエメンは結構日差しがきついので、サングラスは重宝します。そこで「さてどんなおかしな形のサングラスを売ってるんだ」、と思いながらおじさんの手からサングラスを取ると、意外と良い感じのサングラス。しかも「Rayban」と書いてある。

Ray-Ban?_a0090924_2265569.jpg


良く見ると、「Rayban」の「y」のしたがぐちゃぐちゃとなっているのが分かるが、まあどうせ偽物なので細かいことは言いっこなしということで。

「いくら?」と聞くと、

「2,500リヤル(1,500円ぐらい)。」と言う。

サングラス自体はまあまあだけど、偽物に1,000円も出す気はなかったので、「じゃ、いいや」と言って去ろうとする。

おじさんは僕の腕をつかんで、「まあ待て。いくらなら買うんだ?」と聞いてきたので、

「1,000リヤル(600円ぐらい)。」と言い、結局1,300リヤル(750円ぐらい)で買うことにした。偽物にしてはまだちょっと高いし、たぶんおじさんは結構儲けたと思う。でもまあこちらが納得して買うんだから、いっか。

また僕の偽ブランドコレクションが一つ増えた。

ところで偽ブランドって日本に持って帰れないんだっけ?
いつものようにタハリール広場に買い物に行ってきた。露店で靴下を売っていて、そういえば良い靴下ないかなー、と地面に広げられた品物を見ていると、ちょっと高級そうな靴下が目に入った。

Christian Dior?_a0090924_23535326.jpg


「Christian Dior」と書いてある。さすがに僕でも聞いたことのあるブランド名。見た目も色も悪くない。さすがにこれは少し高いのかな?と思い、「いくら?」と聞いてみた。すると、

「1足100リヤル(60円)。」

!!!

ろ、六十円!!!なぬ!?確実に偽物だ。でも見た目は良い感じだし、買ってみるかな。どうしようかな、と少し迷っていると、

「3足で300リヤルのところを250リヤルにまけてやる。」

と言うではないか。結局(おそらく)偽Christian Diorの靴下を3足150円でご購入☆

なんか今日は得した気分☆
昨日は仕事が休みだったので、車でサヌアの町をドライブした。ラマダン中は、朝はイエメン人はみんな就寝中のためほとんど道路に車がいないので、快適にドライブができる。大体11時ぐらいまでは、ほんとに車がいないため、自由にドライブができる。

サヌアの町の西側、少し丘の上にあるエジプトに対する感謝の記念碑のある所へ行ってみた。なぜエジプトに感謝しているかと言うと、エジプトは北イエメンが王政を打倒して共和国に生まれ変わる革命の際に、大勢の軍隊を送って共和国側に加勢したのだ。(ちなみに、逆に王政側にはサウジアラビアが軍隊を送って加勢したため、現在でもイエメンとサウジアラビアの関係はあまり良くない。)

実はここ、6、7年前に何度か来たことがあり、見晴らしが良いので今回も一度行ってみようと思って来てみた。当時は記念碑がポツンと立っており、周りも砂地で特に何も無かったのだが、今回行ってみてビックリした。

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まず、門があってビックリした。前は誰でもいつでも入れるようになっていたのだが、今は門があり周りには柵があり、中の人に扉を開けてもらわないとは入れないようになっている。ちょうど僕が行ったのは12時前。ラマダン中はそんな時間には誰もそんなところに来ない。「おーい!」と呼ぶと、門番たちも「誰が来るんだ、こんな時間に?」といった感じで出てきた。

「入れるのか?」と聞くと、

「お前一人か?」と聞かれた。一人だったので、

「そうだ。別に今開いていないのなら、急ぎじゃないから後でまた来るけど。」と答えると、

「う~ん。ちょっと待て、すぐに開けてやる。」

と言って一人がどこか奥の方の建物へ鍵を取りにいった。でも5分ぐらい待ってもまだ鍵を取りに行ったやつが帰ってこなかったので、

「もうあんまり時間がかかるようなら、別にそんなに絶対見たいわけでもないから帰るよ。」と言うと、

「わかった、わかった。お前、柵を乗り越えられるか?」と聞いてきた。柵はそんなに高いわけでもなく(2mぐらいかな)足の踏み場もあったので、言われるがままに柵を乗り越えた。すると一人が柵を乗り越える僕の姿を見て、

「ジャッキー・チェン!」と言って喜んでいた(笑)。

中に入るとさらにビックリ。なんとすごくきれいに整備された緑の庭が目の前に広がっていた。そしてその背後にはサヌアの砂っぽい町の風景。とっても印象深い景色でした。

Egyptian garden_a0090924_881132.jpg

係りの人たちと話してみると、どうやらここは普段は男が一人で来ても入れない所のようだ。僕は外国人だから入れたものの、ここは基本的には家族用の公園として作り変えられており、男一人とか男だけのグループでは入れなくなっていたのだ(ちなみにイエメンではレストランでも男性の食べるエリアと家族(女性)用のエリアが分かれてます)。それで僕を公園に入れるときに、彼らが一瞬迷ったわけだ。

係りのやつらは話してみると結構良いやつらで、帰り際には、庭に咲いているきれいな花を10本ほど抜き取って花束のように輪ゴムで止めて、「記念に持って帰れ」と言って、くれた。「おいおい、庭を管理しているやつが庭の花をそんなに簡単に引っこ抜いて良いのか?」と正直思ったが、花束をもらうなんて大学院の卒業式以来でうれしかったので、もらって帰った。現在その花は、うちのダイニングに飾ってあります。
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知り合いが始めたウェブサイトの宣伝です。

http://theswoop.net/ln_english/index.php

アメリカで大学院に行ってた頃に知り合った人なのですが、元々イギリスの外交官で現在ワシントンのシンクタンクで上級研究員をしている人です。世界で起きている(起ころうとしている)色々な出来事を、ワシントンの政治家や研究者がどのように分析しているかを、わかりやすく簡潔にまとめてくれています。

また、このサイト、英語圏以外の人にアメリカ政治の裏側を理解してもらおうと考えて作られたサイトなので、英語だけじゃなくて他にも色々な言語で読むことができます。もちろん日本語サイトもあります。

簡単に読めて、国際政治の奥深い知識がつくサイト。結構、独自の分析とかあるので、仕事で、もしくは何かの機会にこういう話を振られたときにちょこっと知識をひけらかせますよ。

http://theswoop.net/ln_english/index.php